映画ネタバレ

映画【ステップ】ネタバレあらすじ!10年に渡る父と娘の温かな日々 感想レビューも

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

重松清さん原作の小説「ステップ」が素敵な映画になりました。

突然の病気で妻・朋子を30歳という若さで失い、幼い娘・美紀と二人きりの家族になってしまった健一。

東京の郊外でたった一人で育児と仕事に奮闘する彼は、しかし周囲の人々に支えられて次第に自分と娘の暮らしを再構築していくことになりました。

秦基博さんの素敵な主題歌「在る」に彩られた温かな物語___コロナ禍で延期された三カ月を経て、満を持しての公開です!

ここでは、映画「ステップ」のあらすじを「ネタバレなし」、「ネタバレあり(結末まで)」のパートに分けてご紹介します。

後半では、感想レビューを書いていますので、そちらもぜひご覧ください。

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【映画名】予備知識

「ステップ」の予告動画

公開日(日本):2020年7月17日㈮

監督:飯塚健

キャスト
山田孝之(武田健一):
妻の朋子を結婚三年目にして病気で失った、シングルファーザー。
娘の美紀を一人で育てると決意し奮闘する。

田中里念(武田美紀・9~12歳)
白鳥玉季(〃6~8歳)
中野翠咲(〃2歳):健一の一人娘。

伊藤沙莉(ケロ先生):美紀の初めての保育園の担任の先生。

川栄李奈(成瀬舞):健一の行きつけのカフェの店員。亡き妻・朋子に面差しが似ていた。

岩松了(榎本部長):健一の上司。彼の力量を評価して、いつかまた一緒に仕事をしようと声をかけてくれた。

日高七海(美紀の小学一年の担任):母の日の似顔絵について、健一に相談する。

角田晃広(村松良彦):
片岡礼子(村松翠):
朋子の兄夫婦。子供を授からなかったこともあって、美紀をとても可愛がっている。

広末涼子(斉藤奈々恵):健一の同僚。広告会社から出向してきた。そして…!

余貴美子(村松美千代):
國村隼(村松明):
朋子の両親。健一の子育てを温かく見守っていた。

中川大志:健一の昼食時にふらりと現れる謎のサラリーマン。

作品概要
飯塚健監督が映画化を熱望してオファーした、という本作は、原作のさらりとしたテイストをそのままに透明感のある映像を作り出し、ある意味淡々と、健一と美紀の暮らしの日々を映し出しています。

健一のぶつかる壁や、哀しみ、苦しみ、それを乗り越えていく逞しさと、美紀の笑顔。

日本のシングルファーザーの暮らしの現実と、様々な困難が凝縮されながらも、義親たち“家族”の存在に支えられて次第に薄れていく孤独感___。

子供が成長する10年、それを見守る大人たちの間に流れた時間が、丹念に描かれていました。

【ステップ】あらすじ(ネタバレなし)

初めての保育園

妻の朋子の一周忌が済み、健一は美紀を保育園に預けて職場復帰しました。

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

二歳児のクラスはすみれ組。

担任の天賀先生はアマガ→アマガエル→ケロケロだから、通称ケロ先生。
意外にもすんなりと保育園デビューを果たした美紀に安堵する間もなく、健一は慣れない総務の仕事に、しかもフレックス適用してもらって懸命に働きます。

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

しかしギリギリの時間に頼まれた仕事を同僚に代わってもらったり、保育園のお迎え時間に間に合わなかったり、と心が折れそうになることもしばしば…そんな彼を営業部の元上司・榎本部長はランチ時に誘い出してなにくれとなく励ましてくれるのです。

ケロ先生も美紀の様子を見ながら、健一にアドバイスをしてくれるのです。

そんな日々が続き、クリスマス会が近づいてきた頃。

美紀の様子が変わってきました。

保育園に行くのを渋るようになってきたのです。

笑顔が減り、とうとう泣き出してしまった美紀。

ケロ先生も困惑していましたが、健一もどうしたら良いのかさっぱりわかりません。

そしてお迎えにも遅れてしまったその日、ようやく理由が解りました。

ケロ先生が教えてくれたのは“抱っこ”です。

普通のおうちの子なら、家に帰ったらママが抱っこしてくれる。

でも、美紀にとっては保育園が抱っこしてもらえる場所だったのに、クリスマス会の準備で忙しかったケロ先生には、その余裕がなかったのだと、彼女は健一に詫びたのです。

自分が美紀を抱っこしていたと思っていた健一は戸惑いましたが。

ケロ先生は続けました。

「パパの抱っこは、いそがしい、って」

家事と育児、どうしても時間に追われて抱っこがおざなりになっていたことを思い出して呆然とした健一を責めるでもなく、ケロ先生は言いました。

「何にもしない抱っこの時間も、子供には楽しいんですよね」

彼女自身も5年生で母親を病気で失い、父子家庭だった、というのです。

「お母さんも、きっと、抱っこしたかったんだろうなぁ…」

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

その呟きに、健一は美紀を抱きしめたのです。

クリスマス会には、満面の笑顔で「きらきら星」を歌い踊る美紀の姿。

ビデオ撮影する健一と、相好を崩して孫娘を見つめる朋子の両親・村松夫妻の姿がありました。

ランドセルを背負って

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

慌ただしく日々は流れ、美紀は小学生になりました。

彼女のお気に入りのランドセルはチョコレートブラウンにピンクの縁取りがオシャレな逸品です。

跨線橋を渡った先が、集団登校の集合場所です。

ちょっと前までは、この先の坂を上って保育園に通っていたのにな、と感慨を込めて、友達の元にかけていく美紀の背中を見送る健一は、ようやくフレックスを解除して通常勤務になりました。

そんな彼の朝の楽しみは、駅前の小さなカフェでコーヒーを一杯飲むこと。

給食表を見ながら晩御飯の献立を考えたりするのが日課です。

そんな日々に小さな波乱が起こりました。

美紀が小学校でもらってきた手紙を、健一は苦い思いで読み返しています。

“母の日”に寄せて、お母さんの絵を描くことになった、というのです。

担任の先生は、母子家庭は経験しているが父子家庭の子供を担当するのは初めてのことで、考えあぐねているのだと、ストレートに伝えてきました。

そんな彼にコーヒーをサーブしてくれる若い女性がいました。

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

成瀬さんというカフェのスタッフです。

健一は、どこか面差しが朋子に似ている成瀬さんに親近感を抱いていました。

忙しい健一と先生が差し向かいで話をする時間を作ったのはそのカフェでのことです。

その時、先生は意外なことを言いました。

「美紀ちゃん、学級会で嘘をついたんです」

クラスで家族の紹介をした時のこと。

「パパはご飯を作ったり、洗濯をしたりしてくれます。ママは、ずっとおうちにいます」

朋子は、家にいる___それは、健一と美紀にとっては真実だったのです。

理解をしてもらうのは難しいのだろうと思いながらも、やはり混乱していたのか。

健一は先生からの手紙をカフェに忘れてきていました。

それを取りにカフェに行ったとき、成瀬さんは健一を励ましてくれたのです。

美紀は、懸命に朋子の写真をみて母の日の絵を描こうとしていましたが、思うように書けなかったのか、テーブルいっぱいに描き損じが並んでいました。

写真がモデルではイメージがわかないのでしょう。

しかし、一歳半で死別してしまった母親が動いているところを、美紀は見たことがなかったのです。

健一は、一計を案じました。

母の日のイベントの前に、成瀬さんに付き合ってもらって美紀と散歩したのです。

面差しが朋子と似ている彼女を前にして、はにかむように笑った美紀。

そうして仕上がった母の日の似顔絵には、金色の輪っかがついている素敵な一枚になりました。

参観日で飾られていたそれは、のちに武田家のリビングに健一の絵と並んで飾られることになるのです。

夏の日の灯篭流し

美紀が三年生になった年のお盆は、岡山にある義母の実家で過ごすことになった健一と美紀。

義両親と、義母の母である曾祖母と、穏やかな田舎の夏を満喫した美紀は、朋子の幼い頃の浴衣を着せてもらってご満悦でした。

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

義父と健一は二人で縁側でビールを飲んで涼んでいると、それはまさしく“日本の夏”という過ごし方なのだなぁ、と実感していました。

義父も義母も、美紀と一緒に帰省できて喜んでいました。

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

皆でそろって迎え火を焚いて、ご先祖様を迎えると、幼いながらにその意味を理解した美紀は朋子に「おかえり」と言うのです。

義両親は、健一に「再婚はしないのか」ということがあります。

もともと、自分たちが美紀を引き取りたい、と言っていたのですが、今の安定した健一たちの暮らしぶりをしって安堵すると同時に、そこにかけている“母親”の存在を案じてくれていました。

お盆休みはゆっくり時間が流れ、美紀は普段なかなかできないスイカ割りをしたり、と夏休みを満喫していました。

そしてお盆最後の夜、家族全員で灯篭流しをしに行ったのです。

穏やかに流れる川に、光がともり、ゆっくりと流れていく灯篭には、健一と美紀の似顔絵が書かれていました。

クーデター?!

榎本部長の采配で営業部に戻った健一はグループリーダーとして少しずつその仕事の勘を取り戻していた頃。

美紀が通っていた保育園が移転したり、と時の流れを感じることが増えてきました。

子供が成長するということは、周囲の大人たちも年齢を重ねていくのです。

そんな中で、義父の会社で一大事が起こりました。

週刊誌にも「クーデター」と取り上げられるほどの組織再編があり、その主流派から弾き飛ばされた義父は、「鬼の村松」と異名を取り70過ぎまで精力的に勤め上げた会社を去ることになってしまいました。

することがなくなった彼は、朋子のアルバムを見てはため息をつく日々。

このままではボケてしまうのでは?!と心配した朋子の兄・良彦が彼をボウリングに誘ったり、いろいろ心を砕いていたのです。

そんな良彦夫婦は子供がおらず、不妊治療を諦め、朋子は若くして亡くなり…予想もつかないことばかりだった、と義父は言います。

彼と、義母が心配していたのは健一の人生のことでした。

美紀を間にして親しく過ごしていながらも、まだ先が長いだろう健一のこれからに、新しい伴侶がいても良いはずだ、と。

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

彼らにとって、健一は血がつながっていないながらも、実の息子と変わらない存在になっていたのです。

以下、結末までのネタバレになります。ご注意ください。

【ステップ】あらすじ(ネタバレ)

バトンと巻き寿司

5年生の運動会は美紀にとって思いがけない重大なイベントになっていました。

リレーの選手になったのです。

パートナーのイケちゃんは、生真面目でミスをゆるしてくれません。

そのために、健一と二人でラップの芯を使ってバトンパスの練習を繰り返していましたが、いまひとつ巧くいきません。

そんな彼女が運動会のお弁当におばあちゃんにリクエストしたのは、お花の巻き寿司でした。

切った断面が色鮮やかな花模様になる、おばあちゃんのお得意料理です。

しかし、その直前に、義父から断りの電話が入りました。

「体調が悪いので作ってやれない…作ってくれそうな人に心当たりがあるのでは?」というのです。

それは、健一を気遣う嘘でした。

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

ちょうどその頃に始まった営業部の仕事に、広告代理店から出向してきた斎藤奈々恵という女性がおり、健一となんとなく親しくなってきた、そんな存在がいることを彼らは察して、健一の背中を押そうとしてきたのです。

ナナさんは、気さくで明るく、仕事もテキパキするひとでした。

そんな彼女に頼んでみたところ、作るのではなく、教えましょう、と言ってくれました。

戸惑いながらも彼女の住まいで指導を受けた健一。

何気ない会話を交わしながら手を動かしていると、目の端に意外なものが映りました。

掌に載るほど小さな桐の箱。

へその緒が収まっているはずのそれを見て、健一は、彼女には、子供がいたのかもしれない…と気づくのです。

花の巻き寿司の作り方をレクチャーしてもらい、彼女の家を出るとき、目を潤ませてナナさんが言いました。

「死産したの」

それで、前の結婚生活が駄目になったのだ、と。

この日。

ナナさんは一つの予言をしました。

イケちゃんと美紀は、きっと仲良しになる、と。

運動会の日の朝早くに起きて花の巻き寿司を作っていた健一に、美紀はバトンパスの練習をしたい、と言いました。

何度も繰り返して、やっと上手にパスが出来て満面の笑顔になった美紀は、そのラップの芯を空に放り投げたのです。

葛藤

ナナさんと少しずつ距離が縮まり、健一は美紀を引き合わせることにしました。

和やかに時間が流れたか、に見えた食事会を終えて帰宅すると、美紀は嘔吐し、高熱でダウンしてしまったのです。

何度か試してみて、やっぱり同じような反応をしてしまう美紀。

父の再婚を理解しようとしてなかなか心と体がついてこないことに業を煮やした彼女は、中学に入るタイミングで横浜の村松家に引っ越したい、と言い出しました。

そうすれば、健一とナナさんが心おきなく二人で暮らせるから、というのです。

相談された村松家の義父母はそれを聞いて心配していました。

健一の再婚を応援していながら、

やはり美紀のことが可愛くて胸を痛めていたのです。

健一はいろいろと考えあぐねた末に、ある日、3人分の朝食を用意しました。

起きてきた美紀は怪訝な顔を見せた時、チャイムが鳴り、インターフォンの画面にナナさんの姿が映ったのです。

彼女は、朋子の仏前にゆっくりと時間をかけて手を合わせてくれました。

一度は部屋に逃げ込んだ美紀でしたが。

意を決したように現れて、一緒に食卓を囲んだのです。

朋子の遺影が見つめる中で、新しい家族の食事が始まりました。

プライド

良彦に誘われてハマったボウリングに興じていたさなか、義父が倒れて救急搬送されました。

倒れても意気軒高な彼でしたが、美紀には会いたくない、とその面会を拒んでいたのです。

それは、やつれたところを見られたくない、という義父なりの矜持です。

病院に向かった健一は、車の中に美紀と、そしてナナさんを残して見舞いに訪れたのです。

その頃、健一とナナさんは籍を入れ、ようやく美紀とも穏やかな関係を築けるようになっていました。

美紀が卒業式の後で謝恩会をおじいちゃんの病室で行いたい、とカードを作る姿を、温かな視線で見守っていたナナさん。

しかし、まだ彼女はこの部屋に同居はしていません。

卒業式を済ませるまでは、父娘の二人でこの部屋で暮らすべきなのだ、と言ってくれたのです。

しかし“鬼の村松”には、もう時間がそれほど残されてはいませんでした。

誰よりも彼自身がそのことを実感していたのです。

そんな彼が、ビシッとスーツを身に着けて、美紀を迎え入れました。

それは、彼なりの孫娘へのはなむけです。

ナナさんも一緒に病院を訪れたその日、季節外れの雪が舞っていました。

義父は美紀に「雪ウサギを作って欲しい」と頼んだのです。

せっかく作っても、溶けて形が崩れてしまったそれを見て悲し気な美紀を、義父は大切に抱きしめました。

遠からず別れが来ることを悟った彼は、その一瞬を惜しみ、そして美紀に微笑んだのです。

卒業

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

ぺちぺちとリズミカルな音がキッチンに響きます。

両掌でハンバーグの種の空気を抜いている音です。

「最初はソースもケチャップだったもんな」

今では健一の料理のレパートリーも増え、美味しく食べられるようになったのですが。

そこには美紀のお手伝いも大きく貢献していました。

二人で暮らす時間も残りあとわずか。

それでも、ナナさんのことを「お母さん」と呼ぶようになり、今ではすっかり“3人家族”です。

卒業式の朝。

美紀は新しいよそいきの服にそでを通し、最後のランドセルを背負いました。

健一も一緒に跨線橋を渡ります。

美紀は、集合場所ではなく、跨線橋からまっすぐ伸びた坂を見上げました。

かつて保育園まで健一がベビーカーを押して駆け上がっていた坂道です。

これからはその道を通って、イケちゃんと一緒に中学校に通うことになるのです。

朋子を見送って、10年。

健一と美紀は大きな節目を迎えて、新しい日々に踏み出していったのでした。

【ステップ】感想とレビュー

美紀を演じた三人の女の子たちが、それぞれにとても魅力的でした。

2歳半の美紀を演じていた中野翠咲ちゃん。

ナチュラルに、きちんとお芝居できていて、素晴らしかったです。

小学一年生から三年生の下鳥玉季ちゃん。

朝ドラや「エール」やTBSの「凪のお暇」「テセウスの船」でも絶賛された存在感、おしゃまな口調で健一を圧倒する生意気さがとても可愛らしいです。

高学年になった美紀の複雑な気持ちを丁寧に演じていた田中里念ちゃん。

おねえさんに成長した美紀と、健一、そして新しい家族のやり取りが素敵でした。

公開が遅れてしまったので、我慢できずに原作に手を出してしまったのですが。

そこにあったエッセンスに加えて、映画独自の素敵な演出があり、微笑ましかったです。

その一つが、カレンダーと、壁に残された赤い線。

朋子が倒れた時、カレンダーに書き込みをしていた赤いペン___その跡が白い壁紙にいびつな形に残されていたのですが。

美紀が成長する中で、その線の意味を知り、指でなぞることを始め、彼女なりに書き込みを加えていき、次第にそこは”家族”の素敵な記録の場所になってきたのです。

さて、物語の軸になる健一を演じていたのは山田孝之さん。

彼が”普通の人”を演じていたの、久しぶりに見た気がしました。

彼はぶっ飛んだキャラ、アウトローの印象がとても強く、最近は”全裸監督”、ちょっと前は”闇金ウシジマくん”が強烈に残っていたのですが。

同じ人にはとても見えません!

むしろ美少年だった面影を残して真っ当な大人になったパパの30歳から40歳、という素敵な年齢の重ね方を見せてくれました。

そして、義理の両親である國村隼さん・余貴美子さん演じる村松夫妻との関係性が素晴らしく。

健一と美紀の将来の幸せを願って押したり、引いたりするその思慮深さがたまりません。

原作を読む前には、まさか、健一が再婚するとは思いませんでしたが。

そうか、こういう人生の進め方も、あっていいのかもしれない___と。

本人たちと、村松夫妻、そして美紀の濃やかな心の動きを丁寧に描くその流れがとても温かく、素敵でした。

伊藤沙莉さんのケロ先生、登場シーンからまさに保育士さん!という素敵な存在感でしたが。

自身も父子家庭で育ったというケロ先生が健一に涙をこぼしながら”抱っこ”の話をするシーンは、優しくて、温かで、大好きです。

彼女ならではのチャーミングなケロ先生。

彼女に見守られて過ごした美紀の保育園時代は、きっと幸福なものだったはず、という余韻が残りました。

(C)2020映画「ステップ」製作委員会

昼飯時に唐突に登場するイケメンなリーマン・中川大志さん。

中川さんご自身が志願してカメオ出演ということで、楽しんでるなぁ、と言う表情です。

広末涼子さん演じるナナさんがとてもチャーミングでした。

”ステップ”は、勇気をもって踏み出していく一歩のステップでもあり、血のつながりのない家族=ステップファミリーの”ステップ”なのだと思いました。

父と娘として長い時間を暮らしてきた健一と美紀のなかに入っていくことの難しさ。

そして彼女自身が失ったものに対して抱えてきた想い。

じっくりと時間をかけて関係を構築していこうとするナナさんと健一の不器用なやり取りが切なく、そして彼らの背中をそっと押している義両親の眼差しにホッとする、そんな不思議な流れでした。

川栄李奈さんは、健一の亡き妻”朋子さん”としては登場しません。

遺影を始めとする写真のみ。

でも、時々…素敵な声で健一に囁いては、彼の背中を押してくれます。

そして、カフェの店員の素敵なお姉さんとして登場しますが、短い登場シーンでも健一と美紀に元気を与えてくれる、そんな存在でした。

エンドロールに流れる秦基博さんの「在る」は作品世界を見事に表している素敵なメロディでした。

MVには作中のシーンもふんだんに使われており、予習(復習)するにはぴったりです。

是非ご覧ください。

まとめ

この作品の中に、とても象徴的な坂道が使われています。

最初は、ベビーカーを押して健一が保育園に通う道。

そして次第に成長した美紀とともに歩く道。

主題歌「在る」では、秦基博さんがこの場所で歌っています。

場所は、京王高尾線の跨線橋。

住宅街のなかですが、よくこんな場所を見つけてきたなぁ、と思いました。

〒193-0833 東京都 八王子市 めじろ台4丁目

苦しい時、嬉しい時、そこは健一の心象風景ともいうべき描写になっていた坂道です。

きっと、ここから先はナナさんも加えて、三人で歩いて行くんでしょう。

そして、小学校を卒業した美紀は、かつて父と保育園に通った坂道を登って中学校に、今度は仲良しのイケちゃんと二人で通うことになるのです。

彼らの人生に幸アレ___そしていろんな形で暮らしている家族の未来に、幸アレ。

泣くかと思ったら、ふんわり笑って観終わった、そんな作品でした。