映画ネタバレ

映画【前田建設ファンタジー営業部】ネタバレあらすじ!爆裂、建設魂!感想レビューも

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

マジンガーZは1972年から約二年、全92話にわたって放送された国民的ロボットアニメです。

リアルタイムだけでなく、その後の再放送、続編やさまざまなメディアミックスで知らない人はいない程に浸透したこのコンテンツから、まさか本当に”モノを作ろう”と考える人が出てくるとは!

___というわけで、この作品は実話です。

前田建設、ガチの準大手ゼネコンとして知られるこの会社が本当にやってるお仕事が実写映画になりました!

ここでは、映画「前田建設ファンタジー営業部」のあらすじを「ネタバレなし」、「ネタバレあり(結末まで)」のパートに分けてご紹介します。

後半では、感想レビューを書いていますので、そちらもぜひご覧ください。

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【前田建設ファンタジー営業部】予備知識

「前田建設ファンタジー営業部」の予告動画

公開日(日本):2020年1月31日

監督:英勉

キャスト
高杉真宙(ドイ):
広報グループ所属、淡々と仕事をしてきた若手社員。
アサカワに、いきなり目の前にマジンガーZのムックを投げられて運命が変わる。
スパロボ世代。

上地雄輔(ベッショ):
広報グループ所属、マジンガーZは再放送世代。
優柔不断だが、やるときゃやる男。
一児(男の子)の父親。

岸井ゆきの(エモト):
広報グループ所属。
なし崩しに引き込まれたファンタジー営業部でたまに脳みそが宇宙に飛ぶ。
お菓子が大好き。
思いがけず恋をして人生が激変。

本多力(チカダ):
広報グループ所属。
アサガワに引き込まれて参加したが、実は私物でマジンガーZのDVDボックスを所有するほど作品を愛しているヲタク。

町田啓太(ヤマダ):
土質担当の掘削ヲタク。
富士山麓に光子力研究所を建設するために助言を求めたエモトと恋に落ちる。

六角精児(フワ):
機械グループ部長のベテラン社員。
ドイにダム愛を熱く語る。

小木博明(アサガワ):
広報グループリーダー、熱血上司でファンタジー営業部発起人。
バブル崩壊後の業界の行き詰まりに危機感を覚え、新たなブルーオーシャンを目指して若手を集めた。

山田純大(営業課長・イリエ):
ファンタジー営業部に対して批判的&懐疑的でありながら、次第にその努力を認め、協力していく。

高橋努(日立造船・野宮):
ファンタジー営業部からの協力要請に応え、無償で技術を提供する。

濱田マリ(栗本鐵工所・堀部):
ファンタジー営業部からの協力要請に応え、無償で技術を提供する。

鶴見辰吾(前田製作所・田崎):
ファンタジー営業部からの協力要請に応え、無償で技術を提供する。

水上剣星(青い人):(画面のどこに登場するかはお楽しみ!)

永井豪(本人):(画面のどこに登場するかはお楽しみ!)

作品概要
誰が見ても「ふざけてるだろ?」と思うようなこの部署名含めて、これ、実話です。

その構造物を作るわけではありませんが、持てる技術の粋を集めて設計・施工の実現性を詳らかにし、予算と工期の積算もして、空想世界の…今回は光子力研究所の弓教授にご提案…という、その対象はどうあれ、今でも建設会社で行われていることを書き起こしているわけですが。

それがどうしてこんなに面白いんでしょう?!

もともと、表側から見えにくい建設会社のお仕事を解りやすく広報するという意味も込めて作られたボランティアの部署であり、会社のホームページ上でその活動はじわじわと知られてきていたのです。

その最初の最初のチョイスが”マジンガーZの格納庫”とは渋すぎる!

令和になった今、平成半ばから続くそのお仕事を振り返り、コテコテの昭和のアニメに翻弄されるおじさんたちを見ると言うのはなんとも不思議な気分でした。

【前田建設ファンタジー営業部】あらすじ(ネタバレなし)

検討

それはバブルがはじけて暫く経った2003年のこと。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

前田建設工業の広報グループに所属するドイは、淡々とその日の仕事をこなしていました。

学生時代にはバカ騒ぎをしていたけれど、社会人になったらそんなこともなくなる…諦めに近い感情をどこかに抱えながら働いていた…そんなころ。

目の前にどさっと一冊のムックが放り投げられました。

「マジンガーZ、知ってる?」

グループリーダーのアサガワがニコニコして聞いてきました。

ドイの世代はスパロボ(ゲーム)シリーズで見知っている程度です。

「これ、作れると思う?」

アサガワが指さしたのは___マジンガーZではなく、その格納庫?!

本気にしていなかったドイに次第に熱を帯びた口調で語り始めたアサガワ。

「ウチの技術を使って、マジンガーの格納庫作っちゃう!」

…周囲にいたベッショ、エモト、そしてチカダが加わってマジンガーZ談議が始まりました。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

この時期、公共事業は頭打ち、民間事業はコスト削減といったことが続き、先細りの予感に苛まれている業界…。

「そんな中でも空想世界には毎週建物が壊されて造られて、ってしてるじゃない?あったんだよ!そこに俺たちのブルーオーシャンが!」

広報グループは、気づいたらそのまま“ファンタジー営業部”にスライドしました。

とはいえ、本当に格納庫を作るのではありません。

空想世界のそうした建造物を、どうしたら前田建設の技術を使って造れるか、という検討をして、会社のwebサイトに連載する、というのです。

「いや、そういうのって版権とか著作権とかうるさくないですか?」

土井は冷静に言いましたが…アサガワは抜かりなくそうした調整も済ませていたのです。

「ダイナミックプロ(原作者サイド)も東映動画(アニメーション制作会社)も無償で使わせてくれるって!

もう、誰も止められません。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

具体性を持ってファンタジー営業部の事業は動き始めたのです。

空想世界通信装置

…という名前のギミックが、前田建設ファンタジー営業部のサイトに掲載されました。

空想世界(アニメ・マンガ)のクライアントから要望を聞き、工事を受注しよう、というのです。

まずはマジンガーZの世界を学ぼう!ということになった時。

チカダが持ち込んだのはなんと、マジンガーZのDVDボックス(私物)でした!

オープニングにあった格納庫のシーンを見せ、水を湛えたプールの真ん中が割れて、下からマジンガーZがせり上がってくる、という概要を説明。

これを、マジンガーZの作中の光子力研究所の最高責任者・弓弦之助教授から検討依頼された、ということで検討会が続いていたのです。

「ブレストしよう!ブレスト!」

その“ブレスト”は“ブレインストーミング”の略でありながら、マジンガーZのの必殺技“ブレストファイヤー”にもひっかけて連発するアサガワ。

そんなアツい議論を交わしている部員たちを、周囲の社員たちもそれぞれの視点で見るようになりました。

最初はドン引きされ、まるで”泥船に載せられた気の毒な人たち”という感じで遠巻きにされていたのですが。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

次第に応援する人が増えてきました。

そんな中で、もろもろ障害が多すぎて“やってられん!”と投げやりになったベッショは、夜遅くに“本社のご意見メール”にその活動に対するクレームを入れてアサガワを止めようとしたのです。

まさにその時…巡回してきた警備員が彼に囁きました。

「頑張ってください!機械獣が攻めてくる前に…」

機械獣とは、マジンガーZの敵です。

ミケーネ帝国によって繰り出される数々の機械獣と戦うために作られたマジンガーZ。

実は、潜在的なファンが沢山いることにベッショは気づいたのです。

帰宅してからリビングのテレビでマジンガーZの動画を眺めていると、幼い息子がやってきて、一緒にテレビを見始めました。

父であるベッショの心にも、熱いファンタジー営業部のマインドが育ってきたのです。

以下、結末までのネタバレになります。ご注意ください。

【前田建設ファンタジー営業部】あらすじ(ネタバレ)

掘削

ベッショは現在、広報グループの所属ですが。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

本来の彼は土木のエキスパートなのです。

その彼が本気を出して引いた図面はリアルかつ理にかなったものでしたが、とにかくサイズが半端ない代物です。

「これは東京湾アクアラインに相当する巨大事業になりますっ!」

ドヤ顔でキメたベッショ。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

さらに、設定では富士山麓の青木ヶ原近辺にあるという光子力研究所の具体的な場所を考察し、50mもの巨大立坑をどう掘削していくか、地質も含めて検討に入り、グループ傘下のプロフェッショナルの意見を聞こう、ということで、ヤマダという掘削の専門家の元に、ドイとエモトが話を聞きに行きました。

このヤマダは、掘削の“プロ”を超越したまさに掘削ヲタク。

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現場を見せながら、気を抜くと脳みそを宇宙に飛ばして(寝落ち)しまうエモトにも話が理解できるよう、岩石を“雷おこし”などに例えてかみ砕いてくれるという気遣いの男でした。

次第に、互いを意識するエモトとヤマダ。

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彼らは協力して最適な場所と、その土地ならではの特性を調べ上げていったのです。

ゲート開閉

さて、次の課題は地上のプールの底に相当する格納庫のゲート開閉問題です。

汚水処理施設を兼ねたプールの水はそのまま下に流れて落ちますが、水圧とゲートの強度、そして開閉のメカニズムを社内の専門家に委ねることになりました。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

数々のダム工事に関わってきた前田建設の知識と経験を一身に背負ったフワです。

彼はドイとともにそのギミックを考察し、時には彼を自社が作ったばかりの長島ダム(2002年竣工)に連れていき、その大きさを体感させ、それを作り上げたからこその前田建設のプライドを語って聞かせ、奮い立たせてくれたのです。

癖のある人柄ではありましたが。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

彼の参入で、ファンタジー営業部はさらにパワーアップしていきました。

ジャッキアップ

さて、この時期…繰り返し視聴してきたアニメ本編にさまざまな矛盾が発見されました。

昭和40年代半ばのテレビアニメは場当たり的に制作されることも多く、作画担当者によってかなり適当な描かれ方をすることもあったのです。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

よって、格納庫の水の流れ方や、ゲートの開閉の仕方、緊急時の発進方法など、矛盾が多く、それらをすべて包括的に“あるべき形”として一つにまとめるのが大変困難になってきました。

そこで、アサガワは一つの提案をします。

同業他社、機械メーカーに協力を依頼しよう!と。

手紙とメールで賛同してくれる企業を探したところ、思いがけず真面目に答えてくれる会社がみつかりました。

前田建設のグループ企業・前田製作所の田崎。
「まーた、親会社が無茶言いやがってって思ってました」と言いながらも、楽しそうに話にのってくれました。

栗本鐵工所の堀部は現行のモーターを並列にシンクロさせて正確に動くことで要望を達成できると考察し、専用のソフトウェアの開発も行わなければ、と真剣な面持ちで応えてくれました。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

日立造船の野宮は、求められるスピードと強度を実行するためにはジャッキのパーツに超合Zを使用することを提案。

いずれも、ガチな仕事を、しかも無償で提供してくれたのです。

こうして、社内外の沢山の人々を巻き込んで、ようやくアニメの画面に登場するのと同じスピードで格納庫から地上にマジンガーZをジャッキアップできる目途が立ったのです。

積算…そしてホントの危機?!

ありとあらゆるデータが出そろい、積算の発表を行うことになった時。

億単位の金と、何年という工期の話がまとまると、その様子を見ていた営業部のイリエが、持参した箱を開け、見覚えのある装置を取り出しました。

空想世界通信装置です。

その装置に会社のロゴの入ったUSBを刺したのです。

会議室のテレビに映ったのは、講師力研究所の弓博士(※アニメ)でした。

その内容を精査した結果、弓教授は格納庫の工事を前田建設に発注すると伝えました。

それと同時に緊急ニュースが流れ「ミケーネ帝国復活、日本に向かって機械獣が進撃を始めた」という一報が入り___?!

それは、ドイの夢落ちではありましたが…それほどのリアルに迫ったものが出来上がったとき…前田建設のサーバーがダウンすると言うトラブルが発生しました。

その日、Yahoo!がこのファンタジー営業部の活動を取り上げてくれたのです。

配信された直後から多くの人々がホームページにアクセスしようと試みた結果の嬉しい悲鳴!

ようやく、これまで誰にも見向きもされなかったこのファンタジー営業部の”仕事”が世界中から認められたのです。

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

アサガワが会議室を出ると、目の前には信じられない人物が立っていました。

金髪に青い肌の…端正な顔立ちの男___ガミラス帝国のデスラー総統が不敵な笑みを浮かべて、アサガワを見たのです。

【前田建設ファンタジー営業部】感想とレビュー

なんともハッピーな作品です!

ドイくんも、会社に入ったら粛々と仕事して生きていくもんだ、と思っていたら、とんでもないアツい日々が巡ってきたという…うらやまし過ぎる会社員人生。

勿論、舞台は2003年ということで、景気の動向も社会情勢も今とはずいぶん異なりますが。

今なお、前田建設にはファンタジー営業部があり、この第一弾から始まったその空想世界とのコラボレーションは「銀河鉄道999」の高架橋や「機動戦士ガンダム」のジャブロー、「宇宙戦艦ヤマト2199」の地下都市の建設と…どんどん規模の大きい物へとチャレンジを勧めているのです。

近年のお仕事ドラマというと、某半澤さんの影響を受けてか、散々痛めつけられて反撃する的なカタルシスに満ちたものが主流になっています。
しかし、観ていると苦しくなることが多いですよね。

建設会社を舞台にしたお仕事ドラマというと、先日放送されていた「同期のサクラ」などは、セクハラやパワハラ、あまりに報われない展開にくらくらすることも…。

エンタメですから、楽しくて笑えるって、大切なポイントだと思うんですよ。

そして、働き方が多様化している現在だからこそ、会社に誇りをもって元気に働いている人の姿って、より一層眩しくて、笑える…それって、とても素敵だと思いませんか?

いろんな意味で勉強になるって思ったんですよ。
そして、これこそ就活生に見せたいなぁ、って。

はい、これ、本当に素晴らしかったんですよ。
町田啓太さん、まさに立て板に水!という感じで滑らかに凄いスピードで土質と掘削技法の説明をなさってて、ただセリフを覚えただけでなく、内容に関しても相当に勉強されたのではないかと。

似た匂いを感じたのは「シン・ゴジラ」でした。
あれも真摯で秀逸なお仕事ドラマです。

マジンガーZを知る人はより楽しく。
マジンガーZを知らない人も十分楽しめる作品です。
ていうか、観終わって、初めてウィキペディアなどでマジンガーZを調べましたが。
なにこれ今物凄く見てみたい!と思ってます。
特にごく初期の頃と、終盤。
敵のミケーネ帝国とか、すごくハイセンスな設定なんですよね。

岸井ゆきのちゃん!
大河「真田丸」、朝ドラ「まんぷく」を制覇、「ルパンの娘」などでもエキセントリックなお芝居を見せていますが。
二年前の「モンテ・クリスト伯」ではドイ役の高杉真宙くんと恋人同士でした。

私、この展示と、流れている予告編を見てこの映画見ることを決めました。

カメオ出演の原作者永井豪先生。
え、そこに出る?と笑ってしまった。
私の背後にいた高齢男性はぶふぉ!って盛大に吹いてた…。

小木さんが、仕事のできるおっさんを好演してましたね。
剛腕でちょっとわがままで、だけどきっちりケツ持ちもして、最後まで貫き通すっていう。
顔芸もすさまじかったけれども。
個性豊かなファンタジー営業部員をまとめ上げられるのは、彼くらいしかいなかったろうなぁ、と今なら思います。

何気に凄かったその破壊力(笑)。
隠れイケメン扱いでしたね。


本多力さん!
「俺の話は長い」からの「知らなくていいコト」…と連ドラでもご活躍の役者さんです。
今回は私物のマジンガーZのDVDボックスを使って格納庫の説明をするところとか、めっちゃ楽しそう!
いるいる、こういう人!っていうキャラを演じるのが巧い方です。

とにかく個性豊かな役者さんたちをぎゅーっとまとめて怒涛の勢いに引きずり込んでくれるような、一部の隙も無い映画でした。
こういう超絶ポジティブなお仕事ドラマって、大歓迎です!

まとめ

この映画の中では、半分以上空想世界のお仕事なんだけど…マジンガーZをリアルタイムで見ていた子供たちが大人になって、会社人としてこのプロジェクトに賛同し、技術提供していく、という姿がとてもカッコ良かったんですよ。
その中で出色の存在感が栗本鐵工所の堀部を演じた濱田マリさん。

このセリフを言ったときの表情が素晴らしくて。

一瞬…本当に日本がミケーネ帝国に侵略される危機的状況にあるのか、とぞくっとしてしまいました。
ここ、チェックポイントです。

栗本鐵工所と日立造船、そしてグループ企業の前田製作所は本当に協力された会社だったようです。

詳細を知りたくて、帰りに本を買って、電車の中で読み始めたら、止まりません!

前述したように、リアルなファンタジー営業部は、このほかにも多数の空想世界の建造物について考察しています。

この作品、シリーズ化してほしいなぁ。

こういう”大人の本気”って、リアルな社会にフィードバックして何かを変えてくれそうな気がします。

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